投資運を引き寄せるには運の良い人と付き合う

次に、運の悪い人とは付き合わないこと。ジョージ・ソロスのような巨大投資家は、ほんの5〜6人程度のコミュニティを持っており、そのなかで情報交換などを行っているという事実があります。

このコミュニティに入れる資格はただひとつ。運がよい人間であることだそうです。逆に、コミュニティに入っていても、運が落ちた人間は、そこからの退去を余儀なくされます。運がよい人間は、やはり同じように運のよい人間としか付き合わないものなのです。

そして最後に、前出のイチローの例ではありませんが、いつ絶好球がきてもよいように、普段からしっかりと練習しておくこと。これはビジネスや投資も同じことで、絶好のチャンスにしっかり乗れるようにするためには、日頃からの鍛錬がモノをいいます。

●リスクマネジメントをきちんとする
●運のよい人間と付き合う
●日頃から自分自身の鍛錬も忘れない
これを実践していれば運を維持し、かつコントロールできるようになるはずです。そして、それは投資をしていくうえで、絶対に必要な条件のひとつでもあるのです。

運はリスクマネジメントができてこその必然性

もちろん、持っていた銘柄の株価が、ひょんなことで皿倍、加倍にまで跳ね上がることはありえます。しかし、やみくもに買った銘柄で、そのようなことが起こる可能性は、ほとんどないといってもよいでしょう。最初の銘柄選びの段階で、しっかり企業を調べるなど下準備をしたからこそ、株価が2倍、3倍に値上がりする銘柄を持つことができたのだ、運は偶然性のものではなく、多分に必然性が高いものなのです。
では、運を維持していくためにはどうすればよいのでしょうか。

私の友人の体験を元に、ちょっとした事例を紹介しておきましょう。
彼はいま、米国の大学に通っているのですが、このあいだ、少しだけ日本に帰ってきていました。そして、再び大学に戻っていったのですが、飛行機を降りて自分のスーツケースが出てくるのを待っていたところ、いつまで経っても出てこなかったそうです。他の空港に行ってしまったのですね。

仕方がなく、彼は空港に停めておいた自分の車に乗り、大学の寮に戻ろうとしたところ、片方のライトが壊れていて、点灯しませんでした。それでも車に乗って走り出したら、案の定、警察に呼び止められました。
「運転免許証とビザを見せなさい」と警官。
「ビザ、ビザ、ビザ?」と彼。
そう、彼は事もあろうに学生ビザを、他の空港に飛んでいったスーツケースのなかに入れてしまっていたのです。もし学生ビザがあれば、自分の身元も照会され、事はそれほど大きくならずに済んだのでしょうが、学生ビザがなかったばかりに、自分の身元証明などに時間がかかり、とんでもなく大変な状況になってしまったと、後日、電話で教えてくれました。

最後に彼は、「運が悪かったんだよね:.…」とつぶやいたのですが、私は「そうではない」と言ってやりました。
「それは運が悪いのではなく、リスクマネジメントができていないだけの話じゃないの?」と。そもそも学生ビザを、機内に持ち込める手荷物のなかに仕舞わず、スーツケースのなかに入れておくということ自体、リスクマネジメントができていません。

そうなのです。運というものは、リスクマネジメントがしっかりできていないと、逃げていく類のものなのです。したがって、運を維持したいのであれば、まずリスクマネジメントをしっかり行うことを忘れないようにしてください。

投資を運だと思ってる人は一生上達しない

トレードには運も必要です。運がよい人であることに越したことはありません。
「運がよい人になれるかどうかなんてわからない」と思っている方が大半だと思います。
そういう人は、運はあくまでも偶然性の高いものと考えているのではないでしょうか。
しかし、その考え方は間違っていると私は思います。

「運がよい」というと、こんなシチュエーションが頭に浮かんできます。
個別株式5銘柄に分散投資していました。マーケットは大波乱で、ほとんど全面安状態。
保有している5銘柄も全部損失状態です。そんな状態のとき、さらに悪い知らせが入ってきました。親が病気にかかり、急に入院費が必要になったのです。それを賄うためには、自分がいま、保有している銘柄を売却しなければなりません。ところが、前述したように5銘柄とも含み損が出ています。万事休す:

そんなとき、保有している銘柄のひとつに、大きく買われる材料が出てきました。結果、この銘柄の株価上昇だけで、他の銘柄で抱えていた含み損をすべて補い、かつ売却益が出るところまで上昇したのです。本当にラッキーでした。
そんなふうに考えるのだと思いますが、これを本当にラッキーだと思う人は、いつまでたっても投資の運はついてこないと思います。

とにかく投資の情報を常にウィッチし、勉強を重ねる

2013年の8月に、ニューョーク・ヤンキースのイチロー選手が、4000本安打という偉業を達成しました。これだけの安打を打つために、彼は何十万回、何百万回の素振りを繰り返しているはずです。そうやって日頃からの準備を積み重ねているからこそ、バッターボックスに入ってストライクボールがきたとき、鮮やかにヒットを放つことができるのです。決して、ひらめきや勘だけでバットを振っているわけではないはずです。
人間は、持っている機能を常に使っていないと、徐々に劣化していくといわれます。筋肉もそうですし、頭脳も同じです。常に情報を収集し、何か新しい投資のアイデアはないか、繰り返し考える。こうして頭脳を使うことによって、徐々に頭脳の性能が上がっていくんです。

とにかく、何をするにもまずは量をこなすこと。「量は質に転化する」などといわれますが、まさにそのとおりだと思います。日頃から投資のアイデアを真剣に考える。そして実際にマーケットで、そのアイデアが通用するかどうかを試してみる。その繰り返しが、トレードを成功に導くのです。
これだけの努力ができる人は、まず間違いなく謙虚です。それとともに、強い好奇心も持ち合わせています。結局、好奇心があるからこそ、トレードに必要な下準備などの地味な作業も、コッコッと続けていくことができるのです。

投資の判断ミスを市場のせいにしない

私はいままで、さまざまなトレーダーをみてきました。成功したトレーダー、マーケットからの退場を余儀なくされたトレーダー。まさに悲喜こもごも:::。
そのなかで、成功しないトレーダーに共通する傾向は、「自分が損をしたときに、マーケットのせいにする」ということです。
よくいるでしょう。「俺が間違っているんじゃない。マーケットが間違っているんだ」と言う人。

案外、こういう人がトレーダーには大勢います。
しかし、それを言ってはおしまいです。マーケットは、非常に大勢の市場参加者が集まり、その人たちによる、一種の多数決で価格が形成されています。マーケットが間違って
いると考える人は、極端な言い方をすれば、民主主義の世界において独裁政権の素晴らしさを吹聴しているようなものです。そのようなことが許されるはずもありません。「マーケットは常に正しい」ということを、トレーダーは常に受け入れる必要があります。
それは「常に謙虚たれ」ということでもあります。実際、優秀なトレーダーというのはいたって謙虚。

謙虚な人は努力をします。ここがポイントです。
トレーダーというのは、傍からみると、何やらその時々のひらめきや勘で、売ったり買ったりを繰り返しているようにみえますが、それだけでは決して生き延びることはできません。料理は下ごしらえが大事だといいますが、それと同じで、成功しているトレーダーほど、実際にトレードする前の下準備を一所懸命にしています。自分がいま持っているポジションを精査し、マーケット内外のさまざまな情報を集め、それを分析したうえで、何を売って何を買うのかという戦略を練るのです。このように、売買の判断を下すための準備に時間を費やすほど、トレードで成功する確率が高まります。
たとえば野球の大打者を考えてみてください。