とにかく投資の情報を常にウィッチし、勉強を重ねる

2013年の8月に、ニューョーク・ヤンキースのイチロー選手が、4000本安打という偉業を達成しました。これだけの安打を打つために、彼は何十万回、何百万回の素振りを繰り返しているはずです。そうやって日頃からの準備を積み重ねているからこそ、バッターボックスに入ってストライクボールがきたとき、鮮やかにヒットを放つことができるのです。決して、ひらめきや勘だけでバットを振っているわけではないはずです。
人間は、持っている機能を常に使っていないと、徐々に劣化していくといわれます。筋肉もそうですし、頭脳も同じです。常に情報を収集し、何か新しい投資のアイデアはないか、繰り返し考える。こうして頭脳を使うことによって、徐々に頭脳の性能が上がっていくんです。

とにかく、何をするにもまずは量をこなすこと。「量は質に転化する」などといわれますが、まさにそのとおりだと思います。日頃から投資のアイデアを真剣に考える。そして実際にマーケットで、そのアイデアが通用するかどうかを試してみる。その繰り返しが、トレードを成功に導くのです。
これだけの努力ができる人は、まず間違いなく謙虚です。それとともに、強い好奇心も持ち合わせています。結局、好奇心があるからこそ、トレードに必要な下準備などの地味な作業も、コッコッと続けていくことができるのです。

投資の判断ミスを市場のせいにしない

私はいままで、さまざまなトレーダーをみてきました。成功したトレーダー、マーケットからの退場を余儀なくされたトレーダー。まさに悲喜こもごも:::。
そのなかで、成功しないトレーダーに共通する傾向は、「自分が損をしたときに、マーケットのせいにする」ということです。
よくいるでしょう。「俺が間違っているんじゃない。マーケットが間違っているんだ」と言う人。

案外、こういう人がトレーダーには大勢います。
しかし、それを言ってはおしまいです。マーケットは、非常に大勢の市場参加者が集まり、その人たちによる、一種の多数決で価格が形成されています。マーケットが間違って
いると考える人は、極端な言い方をすれば、民主主義の世界において独裁政権の素晴らしさを吹聴しているようなものです。そのようなことが許されるはずもありません。「マーケットは常に正しい」ということを、トレーダーは常に受け入れる必要があります。
それは「常に謙虚たれ」ということでもあります。実際、優秀なトレーダーというのはいたって謙虚。

謙虚な人は努力をします。ここがポイントです。
トレーダーというのは、傍からみると、何やらその時々のひらめきや勘で、売ったり買ったりを繰り返しているようにみえますが、それだけでは決して生き延びることはできません。料理は下ごしらえが大事だといいますが、それと同じで、成功しているトレーダーほど、実際にトレードする前の下準備を一所懸命にしています。自分がいま持っているポジションを精査し、マーケット内外のさまざまな情報を集め、それを分析したうえで、何を売って何を買うのかという戦略を練るのです。このように、売買の判断を下すための準備に時間を費やすほど、トレードで成功する確率が高まります。
たとえば野球の大打者を考えてみてください。

バーチャルトレードで株式投資のセンスを磨くこと

「価格の不確実性への不安を克服する方法」をまとめてみると、

●毎日、各銘柄の終値と前日比をノートに記していく
●値動きの「変化」に気付いたら、その理由を考えるようにする

というだけのことなのです。簡単なことですが、これを日々、確実に実行していくことが大事です

次は「株式投資のセンスを磨く」方法をご紹介します。それは、自分でバーチャルなトレーディングを行ってみることです。

バーチャルトレードができるネット証券まとめ

「株式投資のセンスを磨く」ためのバーチャルなトレーデイングのやり方は、

①これから1か月後までに想定される経済環境の変化を考える(それを考える際に、マーケット全体をフォローしたスプレッド・シートを参考にする)
②想定した経済環境の変化のなかで、自分自身が注目する銘柄をいくつか挙げていく
③1週間に一度くらいのペースでそれらの銘柄の株価をチエックしていく
④1か月が経過した時点で、自分が想定した経済環境の変化と、それをベースにして
選んだ銘柄の株価がどうなったのかを振り返り、なぜそうなったのかという原因も一緒に考える。
というものです。そして、これを半年程度繰り返してみてください。まず間違いなく、株式投資のセンスが磨かれ、株式投資のスキルは格段に上がっているはずです。

スプレッドシートを書く習慣をつけよう

当然、トレーダーとしての仕事をする前に、一定の研修期間が設けられます。
この期間に何を研修するのかというと、ここが非常に大事なのですが、
ただひたすら「スプレッド・シート」を書かされるのです。
まず大学ノートを1冊用意します。
次は、そのノートを開いて、縦線を入れていきます。すでにノートには横線が引かれているので、そこに自分で縦線を入れることによって、小さなマス目がたくさんできます。
縦軸には銘柄、横軸には日付をとっていきます。銘柄のところには、たとえば「NYダゥ」「S&P500」「FFレート」「米n年国債利回り」「ドル/円」ヨーロ/ドル」「金(GOLD)」「WTI(原油価格とというように、マーケットで取引されているモノを入れておきます。そして、横軸には日付を書き足していきます。
あとは簡単。毎日、その日の場が終了したら、各銘柄の終値を鉛筆で書いていくだけです。また、その終値の下に前日比の数字も書き込んでいくということを日々繰り返します

「たったのそれだけ?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、これをひたすら繰り返していくと、マーケットで生き延びていくための勘のようなものが、非常に発達していきます。
何しろ毎日、その数字をみていくわけですから、何かちょっとした数字の変化があると、すぐに気付くようになります。ある日、いきなり金の値段がボンと跳ね上がったら、そこには必ず理由がありま
す。こうした値動きの変化を敏感に察知できるようになったら、あとはその理由が何かを考えるクセを身につけていきます。それを毎日繰り返していくと、誰でも見違えるようにマーケットのセンスが研ぎ澄まされ「価格の不確実性」への対応力がつくのです。

リスクとは不確実性のこと

リスク資産の「リスク」について、多くの人は「元本を割り込むリスク」をまず頭に思い浮かべられると思います。
それは決して間違いではありません。しかし、厳密にリスクの意味について問うならば、「不確実性」という言葉がいちばんぴったりくるでしょう。そのなかには当然、価格の不確実性も含まれます。将来、値上がりするかもしれないけれども、値下がりする恐れもあるというのは、まさに価格の不確実性です。
あるいは、信用力の不確実性もあるでしょう。貸したお金が将来、金利付でしっかり返済されるかもしれないけれども、返済されないまま夜逃げされてしまうかもしれないリスクのことです。

このように考えていくと、資産運用のリスクというのは、実にさまざまな種類があることに気づきます。こうしたさまざまなリスクのなかで、多くの人が心配するのは、まさに価格の不確実性です。またそれがあるがゆえに、多くの人は資産運用に足を踏み入れられないでいるのかもしれません。
ですからまずは、「価格の不確実性への不安をいかに克服するか」という話から始めますね

投資銀行というところは、非常に大きなリスクをとって、大きなリターンを追求していくような仕事をします。
しかし、だからといって、まったくの新人にいきなり億円単位のお金を渡し、「さあ、これで好きに売買してみろ」などというような、無謀なリスクを取るようなことはしません。これは個人の資産運用にも当てはまることですが、「カリキュレーション・リスク」といって、ちゃんと計算できる範囲内でリスクを取ることが肝心なのです。リスクを熟知している投資銀行が、海のものとも山のものともわからない新人に、大事な自己資金を与えて運用させるなどというギャンブルをするはずがありません。